物理と数学! ここどうなってんの~?

工学系の著者が気ままに書きます.大学初級の物理と数学で,初学者が「ここどうなってんの~?」と思うところを中心に取り上げていきます.改めて学び直したい人もどうぞ.

運動方程式を解いてみよう!(線形ばね弾性力)

アイ・キューピット

こんにちは!

まろです.

 

前回Fが定数の場合を考えましたが,今日はばねに繋がれた質点の運動を解析しましょう.

ここで考えるばねは,タイトルにもあるように「線形ばね」と呼ばれるものです.

これは,ばねの変位と復元力に比例関係のあるばねのことを言います.

つまり,

F=-k\Delta x\Delta xは自然長からの変位,k\gt 0はばね定数)

と表されます.

この関係が成り立たないばねを非線形ばねと言うのです.

普通はばねの自然長の位置を原点にとります.

またここでは簡単化のために1次元運動としましょう.

そうすると,運動方程式

m\ddot{x}=-kx

となります.

まとめると,

\ddot{x}=-\omega ^2x

となり,これは微分方程式を少しでも勉強した人ならすぐに解ける形ですね.

ここで,\omega=\sqrt{k/m}とします.

 2階微分したときに符号が変わって元の形に戻る関数と言えば,三角関数のサインとコサインです.

つまり,\sin\omega t\cos\omega tの一次結合が一般解となります.

本当にこれだけか?と思う人もいるでしょう.

実は,\mathrm{e}^{\mathrm{i}\omega t}\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\omega t}の線形和でも表現できます.

どちらで考えてもいいですよ!

 Eulerの公式によると,虚数単位が絡んだ時に三角関数と指数関数の間にはある等式が成り立つのです.

\mathrm{e}^{i\psi}=\cos \psi+\mathrm{i}\sin \psiです(\psiは実数).

ここでは虚数単位がない方が分かりやすいので三角関数を使いましょう.

 

一般解は,

x(t)=C_1\sin\omega t+C_2\cos\omega t

です. 

これに初期条件を適用すれば,係数が求まります.

また一般解は

x(t)=A\cos(\omega t+\phi)

の形でも表せることが分かると思います.

 

では,初期条件として,ばねをx_0だけ伸ばして静かに離した場合を考えましょう.

x(0)=x_0,\dot{x}(0)=0です.

この運動は,

x(t)=x_0\cos\omega t

となります.

 

これは振幅x_0,角振動数\omegaの調和振動です.

初めにばねを伸ばした位置より遠くには行かないことが言えます.

また,角振動数はkが大きいほど,mが小さいほど大きくなります.

これは,ばねが硬く質点が軽いほど速く振動することを意味しています.

f=2\pi\omegaを振動数または周波数と言い,T=1/fを周期と言います.

単位はSI単位系を用いれば,角振動数は\mathrm{rad/s},周波数は\mathrm{s}^-1=\mathrm{Hz}となります.

 

初速がある場合など,いろんな場合で試してみてくださいね.

 

ちなみに,初学者には「青山秀明,力学,学術図書出版社」が読みやすくて良いと思います.

演習問題と解説もちゃんと書いてあります.

著者の大学初級向けの講義の教科書ですので,難しすぎることなくまとめられています.

 まろはこの本の2010年度版で入門しました.

 ではまた!

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