物理と数学! ここどうなってんの~?

工学系の著者が気ままに書きます.大学初級の物理と数学で,初学者が「ここどうなってんの~?」と思うところを中心に取り上げていきます.改めて学び直したい人もどうぞ.

運動方程式を解いてみよう!(線形ばね弾性力と粘性抵抗力 減衰振動編)

アイ・キューピット

久しぶりの更新となりました.

まろです.

 

前回の記事ではバネ・マス・ダンパ系の運動方程式の一般解を求めました.

今日は①の \omega_0 \gt \alphaの場合について考えましょう.

この場合一般解は,

 x(t) = C_1 \mathrm{e}^{(-\alpha +\omega'\mathrm{i})t} +C_2 \mathrm{e}^{(-\alpha -\omega'\mathrm{i})t}

です.

ここで

 \omega' =\sqrt{\omega_0^2 - \alpha^2}(実数)

です.

減衰がないときと比べて,抵抗\alphaの影響の分振動数が小さくなっているのが分かります.

 

 ここまでだと運動のイメージがあまりわかない人がいるかもしれません.

それは虚数が入っているからでしょう.

もちろん実際に粒子の位置が複素数で表されることなどありえないので,虚数は含まれるべきではありません.

ではどうするか?

 

数学を物理にするために,現実にありうる初期条件を入れてみましょう.

つまり,初期位置と初期速度を

  x(0) = x_0, \ \dot{x}(0) = v_0(実数)

などとしてみましょう.

 

これを一般解に代入して計算すると, C_1, \ C_2複素数であることが分かります.

これらの虚数と指数の肩の虚数が上手く打ち消しあって,実数の範囲の解が得られるのです.

自分でやってみてください.

 

さっきやったのは機械的なやり方ですが,そうではなく解が実数になるということを前提として一般解を変形すると,もっと早く運動の様子を知ることができます.

どうやるかと言うと,オイラーの公式を使います.

オイラーの公式はよく知っているように,実数\thetaに対して

\mathrm{e}^{\mathrm{i}\theta} = \cos\theta + \mathrm{i}\sin\theta

ですね.

 

これを用いて一般解を変形すると,

 x(t) = \mathrm{e}^{-\alpha t} (C_3 \sin\omega' t + C_4\cos\omega' t)

 C_3, \ C_4は実数)

とできます.

 

これは,指数的に振幅が減衰しながら振動する運動を表しています.

この形の方が初期条件から未知定数を求めるのがも簡単ですね.

 

グラフがどんな形になるかは,Google検索で

"y = exp(-x)*cos(10*x)"

で検索してみてください.

 

今日はここまでです.

次回は過減衰の場合を考えてみましょう.

では!

 

 

 

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